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肥料も堆肥も水さえも…何もやらない究極の自然農法とは?2/2

◆なぜ、肥料をやらないのに作物が育つのか?

『窒素固定』と『窒素循環』

「前年に窒素分は作物に吸収されているのだから、土の窒素分は無くなってるはずでは?」
「無くなった分の窒素を補充しなくてもいいの?」
「施肥しないのであれば、土中の窒素はどこから来てるの?」

…こうした疑問が沸いてきます。

窒素は、大気中に多く存在しています。 容積にして、大気中の約7~8割を占めています。このほかにも、動植物の死骸などの堆積物中、海水中などにも存在しています。植物は、これら自然界に大量にある窒素を使っているのです。

植物がこの窒素をそのまま動植物が利用することは出来ず、「硝酸塩」「硝酸イオン」になってから吸収できる、というのはプロセス1でも説明しました。

大気中の窒素は、いくつかの細菌によって取り込まれます。

窒素を取り込むことを『窒素固定』といいます。窒素固定できる細菌は限られており、「真正細菌」と呼ばれるもので、大腸菌、枯草菌、放線菌、藍藻、シアノバクテリアなどがそれです。これら真正細菌のほかに、古細菌や動植物に共生している細菌もあります。

共生細菌の代表的な例として、マメ科の植物が有名です。クローバーやレンゲ、大豆などマメ科の植物の根には、「根粒菌」と呼ばれる共生細菌がついています。この根粒菌が、窒素を固定しています。「マメを植えると土が肥える」といわれるのは、このためです。マメ科植物のほかには、ソテツやヤマモモなども同様だそうです。また、雷の放電や紫外線により窒素ガスが酸化され、これらが雨水に溶けることで、土壌に固定されることもあります。

自然循環の中で、田んぼがその必要から、条件が整った時レンゲを受け入れました
自然循環の中で、田んぼがその必要から、条件が整った時レンゲを受け入れました
こうして窒素固定がされ、動植物がこれらを取り込むと、今度はアミノ酸やタンパク質に変えられ、生命を維持します。そして、体内で分解され、再び体外へ排出されます。排出された糞尿・堆積物が、さらにまた細菌により硝化され、最後には窒素ガスとなって、再び大気中へと放出される、…という循環になっているのでした。
この窒素固定してくれる小さな生き物たちを農薬や肥料等によって追いやることのないよう(※)守り、自然の循環を優先させていることから、自然栽培は、環境保全型農業の一つになるのではないかと私たちは考えています。この位置づけはまだ認められておらず、岡山県の中で実績を積むことで多様な農業の選択肢の一つとして認めていただけるよう、全国区への普及の足がかりになることを目指しています。
(※)施肥を繰り返すことで、土壌の酸化を進め微生物たちが棲めなくなります。
土の中ではおそらく、ありとあらゆる生物がある一定の関係性を持ちながら、小宇宙を作っているのでしょう。自然界には生き物が過不足なく生きて行くためのシステムが最初から備わっていたのですね!

というか、そんなシステムが備わっている地球ってすごくありませんか?

(※メモとして引用投稿:木村式 自然栽培)

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